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STORY
龍は見ていた。
終戦間近の神社の境内で、召集令状を手にした男に、女が言った。
「生きて帰ってほしい」と。
龍は見ていた。
家族を失い、神社の境内で泣いている子どもを。
龍は見ていた。
ステージで輝くために命を削る若者たちを。
龍は見ていた。
災害で絆を失った家族を。
龍は、ただ、見つめていた。
その龍を、一人の男が見つめていた。
暗い目をして。
龍も、その男を知っていた。
神社再建を大義名分に、自分に足りないカケラを探す人々。
カケラを探しもがく人々を、救いたい龍。
昭和、平成、令和。3つの時代を巡る、人と龍の物語。
貴方に足りないものはなんですか?
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